畳8畳

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メールやチャットの返信に見える認知と嘘と本音

週末、昔から意見交換をしている友人10人が集まり、同じ食卓を囲んだ。

その時に出てきた話題の一部始終を書き記しておきたい。

 

端的に言えば、メールやチャットの返信こそがコミュニケーションを複雑化させるというものだ。

 

この問題を切り出した友人は最近、自身が経営する会社にリモートワークを導入した。数十人がステータス共有のためにチャットでやり取りをすることになったそうだ。普段ダイレクトコミュニケーションを主で仕事をしていた組織からすれば、ルールの再整列化は簡単ではなかっただろう。

 

どうやらそこで起きている問題は、強引によろしく。と丸投げる人や、ダラダラと長い文章を書いてくる人、文章のポスト後、付け足しや修正を繰り返し、一体どの時点が正しい情報なのか混乱させる人、夜中にまとめてポストする等、「察しろよ」的自分勝手が招く複雑に絡み合ったバイアスコミュニケーションらしい。

確かにそれらをアラインさせる役割は大変だ。

 

膨大な情報を処理しながらビジネスとプライベートを保っていると、物事への優先順位付けは皆バラバラで、毎時求められるのは自分に関係の「ある」と「ない」の区別に追われ、社会的品位を保っている暇など無いのである。

そして、マルチタスクなんてものはそもそも人間に備えられた得意術ではない為、20チャンネルにも増えたチャットの読経に追われながら、不本意にもミュートにしつつ、いついつまでにこれやってください。に首を絞められる。

 

キャパシティ問題に目を瞑りながらも、社員のストレス解消目的で導入したリモートワークも、結局はチームの人柄に左右するところが多く、距離とスピードは角度を変えれば悲しきトレードオフなのか、本末転倒な結末を迎えるのであった。と締めくくられた。

 

 

さて、気分や感情が混入しない分、受け取り方の感受レベルで事の重大さが変わるメールやチャット。以下は僕が最近仲の良いデザイナーの友人に送ったメール(デフォルメ)だ。彼は現在フリーランスで、普段から貪欲に仕事を探している。

 

 

「ご無沙汰!紹介したい案件があって連絡しました。この間◯◯という企業で◯◯というプロジェクトを担当している人に会ってきました。これから最も伸びる分野で社内R&Dができるとのことで、やりがいと自由さに期待しています。

して嬉しいことに僕もご一緒できることになりました。◯◯(彼の名前)も良ければどうですか?またアプデさせて下さい!」

 

それに対して、丸24時間寝かされた僕の美味カレーへの感想は、

「へぇ、いいね よろしく」

 

 

…うん。僕としてはこの案件を彼に紹介してもしなくても良いのである。

善意だと思って彼が喜んでくれる様な文面に仕上げた。しかし、彼はアルコールランプに付いた火の上から、重い瓶の蓋をするように僕を一蹴した。

 

受け手は常に認知で相手を想像する癖がある。そして送り手は嘘と本音で会話する。

これは前篇で語ったテレワーク問題の詳細を示しているようだ。

 

「へぇ、いいね よろしく」は本音ではないように見える。そもそも興味があれば熱意を示す。返信時間を優先したり、文面を工夫するはずだ。

彼はそんなに淡白な人ではない。何か気が滅入った時と重なったのであれば、どうぞ友人として、それを相談してもらいたいものでもある。返信を後ですると一報入れるのもマナーかもしれない。とにかくどんな理由であれ善意に対する答え方は工夫出来たはずだ。

 

分析すればそもそもこの仕事に興味がない。次回から察しろよ」が彼の答えだと落ち着く。僕との友人関係から配慮された「一応唾つけておくか、アプデヨロ。都合の良いやつ」の意とも取れる。

 

僕の認知はそれであり、彼はガチ本音は言えず、オブラートな嘘を言ったのである。

これが複雑化したコミュニケーションだ。

僕はこの嘘を本音だと勘違いして、対応をした。彼にこの件をアップデートしたのだ。

しかし彼は毎度迷惑がりながらも、既読を付けていく。返信はない。

 

 

僕はこのブログを書きながら、彼が仕事を欲していないと理解した。

ちょいと判断が遅く、間抜けに見えるかもしれない。

でも昔の吉見で言えば正当な付き合い方だろう。

 

でも本当の彼はどうだろうか…。

欲しいの模範返信解答は「是非 お願いします!」「後で詳しく聞きたい」であり、欲しくないの解答は「ちと 忙しいからわからん」とか「今回は無理だ ごめん」であった。

 

いやいや、恐ろしいものである。お互いが気を遣い合った結果が招くバイアス地獄だ。

 

真意が分からないということはこういうことだ。固定化された概念で彼を観ている。想像が認知を助けているのでもはや僕の中の偶像化された彼と仕事をしている。

 

メールやチャットの返信に見える認知と嘘と本音。自分への戒めとして、ここに。